字幕形式は見た目が似ていても、保存できる情報が違います。必要以上に高機能な形式を選ぶより、最終的な再生環境で必要な情報を失わない最小限の形式を選ぶ方が安定します。
結論:用途から形式を選ぶ
| 用途 | 推奨形式 | 理由 |
|---|---|---|
| YouTube・SNS・一般的な受け渡し | SRT | シンプルで対応範囲が広い。 |
| HTML5・Web動画 | VTT | ブラウザのテキストトラック向け。 |
| 装飾・位置指定・カラオケ字幕 | ASS | 高度なスタイルと位置情報を保持できる。 |
| 文字起こし・文章再利用 | TXT | タイムコードなしの純粋なテキストに向く。 |
SRT:互換性を優先するなら基本形
SRTは連番、開始・終了時刻、字幕本文で構成されます。テキストエディタでも確認しやすく、装飾より互換性を優先する受け渡し用として扱いやすい形式です。
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00:00:01,000 --> 00:00:04,000
Welcome to our video.- 多くの動画サービスや編集ソフトで使いやすい。
- ミリ秒は 00:00:01,000 のようにカンマ表記。
- 翻訳・校正・レビューのマスターにも向く。
- フォント、色、アニメーション、細かな位置指定の保持には不向き。
VTT:Web再生に強い形式
WebVTTはブラウザ向けに設計され、ミリ秒はドット表記です。Cue設定、話者ラベル、Web向けメタデータを扱える点もSRTとの違いです。
WEBVTT
00:00:01.000 --> 00:00:04.000
<v Speaker>Welcome to our video.HTML5プレーヤーなど、配信先がWebVTTを要求する場合にVTTを使います。単に新しい形式だからという理由で変換する必要はありません。
ASS:字幕の見た目も成果物に含める場合
ASSはフォント、色、縁取り、画面位置、カラオケ効果などを保持できます。ブランド字幕や演出字幕には強力ですが、ファイル構造はSRTより複雑です。
[Script Info]
ScriptType: v4.00+
[Events]
Dialogue: 0,0:00:01.00,0:00:04.00,Default,,0,0,0,,Welcome to our video.配信先がASSを解釈できない場合は、スタイル付き字幕を動画へ焼き込むか、別の配信用形式を用意する方が確実です。
TXT:字幕トラックではなく文字起こし向け
TXTは基本的にプレーンテキストです。文字起こし、記事化、メモ、検索用途には便利ですが、通常はCueの時刻情報がありません。
Welcome to our video.
In this tutorial, we explain subtitle formats.SRTからTXTへ変換すると時刻と連番が失われます。TXTから字幕へ戻すには、新たにタイミングを作る必要があります。
機能比較
| 項目 | SRT | VTT | ASS | TXT |
|---|---|---|---|---|
| タイムコード | あり | あり | あり | 通常なし |
| 一般互換性 | 非常に高い | Webで高い | 中程度 | テキストのみ |
| 高度な装飾 | なし | 基本 | 高度 | なし |
| 細かな位置指定 | 限定的 | 基本 | 高度 | なし |
| 手動編集 | 簡単 | 簡単 | やや複雑 | 簡単 |
| Webプレーヤー | 良い | 最適 | まれ | 不可 |
| スタイル付き焼き込み | 限定的 | 限定的 | 最適 | 不可 |
| 文字起こし | 可 | 可 | 不向き | 最適 |
形式変換で何が失われる?
- SRT → VTT: 本文と時刻は移しやすい一方、WEBVTTヘッダーやミリ秒表記など構文が変わります。
- VTT → SRT: 基本Cueは移せますが、WebVTT固有の設定やメタデータは落ちる場合があります。
- ASS → SRT: 本文と時刻は残せても、フォント、色、位置、アニメーションなどは通常失われます。
- SRT → TXT: 文字起こしには便利ですが、時刻とCue構造は意図的に削除されます。
- TXT → SRT: 元のタイミング情報がなければ逆変換ではありません。時刻を新しく生成する必要があります。
よくある形式選択のミス
- TXTをそのまま字幕トラックとして扱う: 時刻がないため、映像と同期できません。
- デザイン重視なのにSRTだけで完結させる: SRTは互換性向けで、高度な見た目の保持には向きません。
- ASS→SRTで見た目まで残ると思う: 本文は残っても高度なスタイルは通常失われます。
- 配信先を確認せず変換する: 最終プレーヤーが必要とする形式を基準に選びます。
安定する形式ワークフロー
- 互換性重視ならSRTをマスターとして整える。
- 変換前にタイミングと構造を検証する。
- 翻訳・修正はマスターで行いCue時刻を不用意に崩さない。
- WebVTTが必要な場合だけVTTへ変換する。
- スタイルを編集可能なまま残すならASSを使う。
- 文字起こしが必要ならTXTを別途書き出す。
- 公開前に実際のプレーヤーで最終確認する。
多くの制作ではSRTが実用的なマスター、VTTがWeb向け、ASSが装飾向け、TXTが文字起こし向けです。
よくある質問
一番おすすめの字幕形式は?
用途次第です。一般用途ではSRTが最も安全な初期選択です。
VTTはSRTより優れていますか?
Web/HTML5では有利ですが、一般的な受け渡しではSRTの方が簡単です。
ASSはフォントや色を保存できますか?
はい。位置や効果も含む高度なスタイルを保持できます。
ASSをSRTに変換できますか?
できますが、高度なスタイルは通常失われます。
TXTを字幕にできますか?
タイミングを追加・再生成すれば可能ですが、TXT自体は通常文字起こしです。